2011年8月3日

東工大副学長の不正経理について

 
研究費の使い方について意見します。



学長辞退の東工大副学長、不正経理関与の疑い
(読売新聞より)



 東京工業大学(東京都目黒区)の次期学長就任を辞退した大倉一郎副学長(66)が、大学に実験機器などを納入する業者に研究費を預ける不正経理に関与していた疑いが浮上し、同大が内部調査に乗り出していることが29日、分かった。

(中略)

 文科省などによると、東工大と慶応大のほかに不正経理の疑いが浮上しているのは、上智大、東京農大、日本大、成蹊大、工学院大。それぞれ、精密機器や実験器具を納入している業者側に架空請求させ、本来は年度内に使い切るべき研究費を預けて、翌年度以降に使用していた疑いがある。





~大倉氏について~

大倉・朝倉研究室
(東京工業大学より)



大倉教授は東京工業大学の副学長で、理事で、名誉教授。
工学博士(東工大)。

東工大に入学し、博士号取得後、アメリカのプリンストン大に1年半ほど留学し、帰国後は東工大に採用され、以後そのままずっと東工大で研究を続けてきています。

研究内容は、

酵素の電子移動機構の解明
太陽光エネルギーでポルフィリン環から電子を飛び出させ、酵素で水素イオンを水素に変える研究(←面白そう!)
酵素に含まれる金属イオンに関する研究

など、酵素に関するものが多いようです。



で、その大倉教授が、「一身上の理由」を理由に学長昇進を辞退したんだそうです。

昇進拒否なんてまるで今時の若者みたいですが(お前が言うな)、学長拒否は珍しく、関係者は非常に驚いたようです。
学長辞退よりも前に、既に東工大が内部調査をしていて、不正経理のことを掴んでいたようなので、今回の辞退は多分「一身上の理由」というよりは「大倉氏が大学側に自発的な辞退を勧告された」のだと思います。

不正経理の内容は、年度内に使い切らなければならない研究費を、業者に預けて、翌年度に回していたんだそうです。



私は、まだ研究室に入ったことはないですが、こんな研究費は使いにくいと思います。

年度内に使い切らなければならないということは、年度の初めに、どれだけお金を使うかを決めておかなければなりません。
しかし、それは難しいと思います。

研究が進んで、分からなかったことが分かっていくにつれ、新たな分析機器が必要になっていくかも知れない。
例えば、DNAの塩基配列を読んでいて、そのDNAがメチル化されてるかどうか知る必要が生じたら、それ用のシーケンサーを買わないといけません。
そんなとき、研究費が足りなかったら、もう研究は進まなくなる。

大学内で機器の貸し借りをするということは、私の通っている大学に限って言えば、結構頻繁に行われています。
研究費をなるべく節約するためです。
しかし、大学全体を探しても機器がない場合は、買うしかないです。

そうなると、自分の財産を切り崩すくらいはしないと、ちょっと無理。
(私財だけじゃ足りないかも知れません; 高過ぎるので)
(まあ、副学長なら給料は高いのかも知れませんが)

そうすると、

「数年後に、新しい分析機器を買うなどの急な出費が必要になったときのため、余った研究費を返さず、どこかに預けておこう」

という発想が生まれても仕方ありません。
今年度は充分な研究費をもらえても、来年度は減額されるかも知れないので、そのリスクを考えると、返金するよりも、どこかに預けておきたい。
最近は「事業仕分け」(レンホーショック)という恐怖もあったのですから、尚更。

夢のない話ですが、科学研究は、お金抜きには不可能なのです。



なんか、もっとこう。。。ねえ?

研究費を柔軟に使えないものでしょうか?
隔年使用を認めるとか。

隔年使用は、会計側からすれば、極めて非常識、アリエナイのかも知れません。
でも、将来研究者になろうと思っている学生の一人である私から見れば、研究費を隔年使用できた方が、現実に沿っています。

文科省(実質的には財務省かも知れませんが)には、現場に即した視点を持ってもらいたいです。



ちなみに、現代ではどこの大学もお金に苦労しているので、研究者たちは、支出を詳細にチェックされます。
中国のように、愛人の家を買うために研究費を不正利用するなどしたら、即バレると思います。

今回の東工大副学長の件は、実験器具を納入する業者に器具の代金を架空請求させるという形をとっており、表面上は普通に研究のための支出に見えます。
なのでバレにくく、この副学長は、いったんは学長に推薦されたのでしょう。



追伸1

文科省は、全国規模で研究費の不正経理をチェックする考えを打ち出しています。

良いと思います。
こんな時代ですから、全部洗いだしちゃって下さい。

ついでに、菅首相や民主党による北朝鮮シンパへの献金も、洗いざらい白状させて下さい。



追伸2

研究者って変人が多いイメージがありますが、実際には意外と常識人が多いんですよね。
私は将来マッドサイエンティストになってしまうと思いますが、そっち系の「狂人」は、私の周辺では見たことがありません。

(ただし、書籍やネット上には少しいます)
(茂木健一郎とか)
(あれはただの創価)



研究者は、私が通っている大学に限って言えば、普通に真面目な人が多いです。
中には、学生時代は野球ばっかやってて単位落としまくった教授とか、天才なのに酒に溺れて論文が書けなくなり人生台無しにした准教授とかもいますが、性格的には正常です。

本当に、変人がいません。まともです。
面白くないです。

(まあ、変人だらけでも困りますが;)